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立冬、暦の上では冬、空気が乾燥し冷えることで風邪が流行りはじめます。同じ環境にいても風邪を引く人と引かない人がいます。これは体質の違いによるもので、薬膳的には免疫力に関係している「気」が充実しているかどうかが重要です。

コロナウィルスの感染者が再び増える一方で、年末にかけ忙しくなり体調管理が欠かせなくなってきます。感染しないためにはどのように過ごすのか、感染する前の予防策を考えていきましょう。

今回は、風邪を引かないからだ作りをしたい人へ 鶏もも肉とマッシュルーム・キャベツを使った洋風の薬膳粥をご紹介致します。ワンプレートにからだに必要な栄養が詰まっているので忙しい人にもおすすめの一品です。

「元気」や「気力」、わたしたちは日常の中で何気なく「気」という言葉を連発しています。「気」というのは、私たちのからだに流れている目に見えない「生命エネルギー」を言います。体力など「からだを維持するエネルギー」「精神力」「からだを温める力」「風邪などの外敵からからだを守る免疫力」のことを言います。

忙しくて疲れていたり、外気が冷えることにより、この「気」は消耗します。気が不足している状態を「気虚(ききょ)」と言い、疲れやすくなったり、テンションが下がったり、からだが冷えやすくなったり、風邪を引きやすくなったりなどの症状が見られるようになります。

風邪を予防するためには、からだを冷やさないように温かい服装で過ごすことや、寒いからといって部屋にじっとこもっていることなく、ウォーキングなどの簡単な運動を生活に取り入れて循環を良くして陽気を産み出すことが大切です。

ストレスや疲れをためこまないないよう、仕事とプライベートのメリハリをつけること、その日のうちに寝るように心がけましょう。

また、気を補う薬膳食材は、肉類・魚類などの動物性タンパク質や、さつまいもやじゃがいもなどの芋類、舞茸やしめじなどのきのこ類です。
これらの食材は、長く取り入れることでからだに良い効果をもたらします。毎日、何かしら取り入れるように心がけましょう。

鶏肉はアミノ酸スコアが100で良質なタンパク源となります。薬膳では「気」を補う食材の代表格です。体力の低下や気力の減退などに効果があります。また、病気の回復食にも使われ、食欲不振の人や肉類で胃もたれしてしまう人でも食べることができます。
鶏もも肉は足からももにかけての部分で、筋肉質で歯ごたえがあり鶏肉特有の味わいを楽しむことができます。

マッシュルームはハラタケ科のきのこで、ヨーロッパが原産です。フレッシュなものは、生食でサラダに用いたり、オリーブオイルでさっと炒めて塩を降って楽しむことができます。マッシュルームやキャベは、冬に弱る「腎」を養ってくれるので、寒くなる季節にはおすすめです。

材料

鶏もも肉 … 200g / マッシュルーム … 5個 / キャベツ … 2枚 / 玄米… 1カップ / 白ワイン … 1/2カップ / 水 … 4カップ / ブラックペッパー(ホールタイプ) … 7粒 / タイム … 適量

作り方
手順① 鶏もも肉に塩をまぶして10分おく。10分経ったらキッチンペーパーで拭き下処理をする。
手順② マッシュルームを5ミリにスライスする。キャベツは3-4センチの一口大に切る。
手順③ 鍋に材料を全て入れて強火にかけ、沸騰したら弱火に切り替え30分火にかける。
手順④ 30分経ったら、蒸らす。
手順⑤ 鶏肉を一口大にほぐし、お粥を器に盛り付けたあと載せる。

ブラックペッパーはホールのまま一緒に煮込みます。冬は辛味のスパイスを上手に使うことで「陽気」を補うことができます


田村 英子 EIKO TAMURA

1979年生まれ
2003年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学 薬膳課卒業)
・一児の母


大学卒業後3年間調剤薬局に勤めるが、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込む。
都内漢方相談薬局「東西薬局」にて中医師に支持し漢方相談業務・中医学講師を勤める。
帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
都内漢方相談薬局 富士堂漢方薬局にて許志泉先生に支持し漢方相談業務を勤める。
2022年に「カラダを変える12か月のズボラ薬膳」として独立。
https://zuborayakuzen.jp/

漢方相談・薬膳体質カウンセリング・セミナー・執筆業を行う。女性のホルモンバランスの変化による心やカラダのゆらぎを支え、健康で不安のない将来を迎えられるよう、漢方薬や日々の生活に取り入れたいや薬膳を提案している。