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秋から冬にかけて空気が乾燥することにより、私たちの身体からも水分が奪われてしまいます。内側からの乾燥により、皮膚のかゆみや脱水などのトラブルを招いてしまうこともあります。加湿するよう心がけたり、からだを潤す食材を説教的に食べたりすることで乾燥する季節に起こるトラブルを予防していくことができます。

秋には植物が果実を実らせ、割れた果実から種が飛び出します。種子は成育するのにちょうどいい季節や環境を選んで発芽する能力を持ち、いのちを繋いでいきます。
薬膳では、秋に収穫される果実や種子が身体を潤し、それらをいただくことが秋の食養生につながると考えています。

今回は、秋に収穫されるアーモンドを使って玄米のアーモンドミルク薬膳粥をご紹介したいと思います。

アーモンドは古くは紀元前4000年のメソポタミア文明の頃から食されていたようです。温暖で乾燥した地域が栽培に適しているため、ヨーロッパの地中海沿岸地域で栽培が広まったと言われています。
日本にやって来たのは江戸時代で、ポルトガルから持ち込まれました。

アーモンドの別名は、「扁桃」と呼ばれていますが、これは形が扁桃腺に似ていることからこの名が付けられたと言われています。

アーモンドは、バラ科スモモ属の落葉樹の低木で、秋になると果実がたわわになります。何もせずに、自然に落ちてくることはないので、木をゆすって落下させて収穫します。
秋に収穫される種子はアーモンドの他に、ごまや松の実などがありますが、いずれも良質なオイルを含み、食べることで身体に潤いを与え、乾燥するのを防ぐことができます。

アーモンドは不飽和脂肪酸のオレイン酸を豊富に含み、良質なオイルが私たちに潤いをもたらしてくれます。皮膚や血管に弾力を持たせてくれることにより、乾燥による肌トラブルや、動脈硬化を予防するのに役立ちます。またカルシウムや鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルバランスに優れており、薬膳では、次のような効果を期待することができます。

・「潤肺」=呼吸器を潤す

・「通便」=便通を良くする

・「補血」=栄養を与える

・「安神」=心を安らかにする


乾燥による便秘を防いでくれたり、呼吸器を潤し風邪の予防にもなるので、朝食として食べることをお勧めします。

とは言え、食べ過ぎると油分を多く含むため太ったりアレルギーを引き起こしてしまうこともありますので、1日28gくらいが適量とされます

材料(2人分)

玄米 … 1/2カップ / アーモンド … 30g(細かく砕く) / アーモンドミルク … 3.5カップ / シナモンパウダー … 適量

作り方
手順① 玄米を一晩浸水させる。
手順② 鍋に玄米とアーモンドミルクを入れて沸騰させる。沸騰したら蓋をし弱火に切り替え30分煮る。
手順③ 30分経ったら、器によそい、シナモンパウダーと砕いたアーモンドを散らして完成。

●参照論文・参照文献
参照文献 現代の食卓に生かす「食物性味表」 (編集:日本中医食養学会 監修:国立北京中医薬大学 日本校)


田村 英子 EIKO TAMURA

1979年生まれ
2003年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学 薬膳課卒業)
・一児の母


大学卒業後3年間調剤薬局に勤めるが、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込む。
都内漢方相談薬局「東西薬局」にて中医師に支持し漢方相談業務・中医学講師を勤める。
帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
都内漢方相談薬局 富士堂漢方薬局にて許志泉先生に支持し漢方相談業務を勤める。
2022年に「カラダを変える12か月のズボラ薬膳」として独立。
https://zuborayakuzen.jp/

漢方相談・薬膳体質カウンセリング・セミナー・執筆業を行う。女性のホルモンバランスの変化による心やカラダのゆらぎを支え、健康で不安のない将来を迎えられるよう、漢方薬や日々の生活に取り入れたいや薬膳を提案している。