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「気象病」で悩む人を多く見かけるようになりました。今まであまり表立って取り上げられることもなかったのですが、最近の気候変動の激しさから不調を訴える人が増え、認知されるようになってきました。
「気象病」という正式な病名はありませんが、季節の変わり目や、雨が降る前の気圧の変化に伴い、体調不良を起こすというもので、頭痛や吐き気、頭がぼーっとする、体がだるいなど様々な症状を訴えます。

今回は気象病に対して、普段からどのような食養生をすれば良いのかなどをお伝えしたいと思います。

大地が温まると温まった空気が上空に昇っていきます。そこで、地上では気圧が低くなり、血管にかかる圧力が減ることから血管が拡張します。
このことにより、血液の巡りが悪くなり、うまく巡らなくなった血液中の水分が細胞へと移行することでむくみを始めとした様々な不調を引き起こします。

気象病が起きる体質として、余分な水分が体に偏在している人が多く、漢方薬では、余分な水を「水滞(すいたい)」と呼んでいます。
この水滞を体の外に追い出すのに「五苓散(ごれいさん)」という処方がよく用いられます。雨が降る前の頭痛、吐き気、尿が出ないなどむくみによる症状に用いられます。

日頃から汗を軽くかく程度のウォーキングを日常に取り入れ、体にある余分な水分を出すこと、巡らせることが大切です。
また、これから暑くなるにつれて冷たい飲み物に手が伸びますが、むくみの原因となるため控えましょう。

食べ物でも利尿作用のある食材を取り入れることで、水滞を取り除くことができます。
とうもろこし、冬瓜、きゅうり、へちまなどの瓜類、えんどう豆や枝豆などの豆類、ハトムギなどには利尿作用があります。

これから湿度が上がってくるにつれ、様々な水滞によるトラブルが起きますので、是非積極的に摂るようにしましょう。
今回はそら豆とグリーンピースを使った薬膳玄米ご飯を紹介させて頂きます。

そら豆

そら豆は、空に向かってさやが伸びているように見えることから「空豆」、また蚕に似ていることから「蚕豆」などという字があてられています。そら豆の起源はわかっていませんが、野生種と思われるものが、北アフリカやカスピ海の南方で見つかっています。
エジプトではそら豆を煮込んだものにオリーブオイルとレモン果汁を和えたものを、国民的朝食としています。世界中で食べられているそら豆ですが、イタリアではお酒のおつまみに生で食します。また、中国では調味料「豆板醤(とうばんじゃん)」の原料にもなっています。

そら豆など初夏に収穫される豆類には水の巡りを良くする効果を期待することできます。
これは、栄養学的にカリウムを多く含み、ナトリウム(塩分)を排泄することによって、体のむくみの調整をしています。また、薬膳的には「補気(ほき)」と言って、疲労回復に役立ちますが、たんぱく質やビタミンB群が豊富なことから疲労を回復する効果も期待することができます。

グリーンピース

今回一緒に使うグリーンピースはエンドウの未熟種子のことです。
こちらもそら豆と同様、薬膳では「補気」「利水」の効果があり、尿量を増やしたり、疲労を回復する効果を期待することができます。

材料(4人分)

玄米 … 2合 / そら豆(さやがついた状態で) … 450g / グリーンピース … 70g / 酒… 大さじ1 / そら豆を茹でる用の水 … 300cc / そら豆を茹でる用の塩 … 小さじ1

作り方
手順① そら豆を縦に割り、さやから外す。
手順② 鍋に水300ccと塩小さじ1を入れ、沸騰させる。
手順③ 沸騰させた湯にそら豆を入れて、そのまま強火で2分茹でる。茹でる前に、黒い部分に浅く切り込みを入れる。
手順④ 茹で上がったら茹で汁は捨てずにとっておく。
手順⑤ そら豆の皮をむく。
手順⑥ 炊飯器にグリーンピースと酒、玄米、④の茹で汁を一緒に入れて普通に炊く。
手順⑦ 炊き上がったら、⑤のそら豆を混ぜて、茶碗によそって完成。

田村 英子 EIKO TAMURA

2010年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学薬膳課卒業)
・「カラダを変える12か月の薬膳」主宰
大学卒業後3年間は調剤薬局に勤務した後、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込み。
漢方相談薬局の老舗「東西薬局」に就職、中医師・菅沼栄、林建豫先生などに師事し中医学を学ぶ。
その後、帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
現在、漢方養生堂、富士堂に所属。
カウンセリングで多くの患者と向き合う中、漢方を飲む以前の食習慣を含めた生活習慣の問題をどう立て直し、定着させるかがずっと課題で、本人に納得してもらい、自立して健康管理をしていくために「カラダが変わる12か月のズボラ薬膳」を主催する。