皆さんこんにちは。暖かい日が続くようになり、ようやくビーチバレーボールのシーズンになって参りました。日本のトップツアーも5月に開幕され、これから様々な土地で大会が行われる予定です。
私も開幕戦から参戦しており、今回はその様子についてお話させて頂きます。

今大会は東京都の立川市で5月3日から5日までの3日間行われました。コロナ禍の影響により昨年まで無観客で行う大会が続いていましたが、今回は久しぶりに観客を入れる形で開催されました。観戦チケットは販売日当日に完売され、たくさんの方がビーチバレーボールの観戦を楽しみにされていたことに選手一同喜びを感じました。

試合は男女それぞれ12チームの参加にて行われました。3チームずつのグループ戦から勝率の高い2チーム、合計8チームがトーナメント戦に進みます。トーナメントで3回勝ち続けたチームが優勝となるので、優勝するには合計5試合戦わなければならないという長丁場の試合でした。
ビーチバレーボールは体力の消耗が激しい競技ですので、勝ち進むにつれて疲労との戦いにもなってきます。

余談になりますが、私は夏場の試合を1試合終えると体重が5kg程減っていることが多々あります。
ビーチバレーボールの1試合の所要時間は40〜60分程で、そのほとんどの時間を砂の上で駆け回ります。特に炎天下の試合では発汗量が増えるので体重が減りやすくなります。今大会のように複数日に渡って開催される試合では、いかにコンディションを落とさずに最終日まで戦い抜けるかが優勝を掴むカギになります。

前置きが長くなりましたが、今大会の私のチームの結果は、決勝戦で敗戦し2位となりました。優勝を目指していただけに非常に残念でしたが、収穫も多く非常に充実した3日間だと振り返っています。

今回は、新チームで臨む初めての国内大会でした。毎日のようにパートナーと顔を合わせて練習に取り組んでいますが、それでも実践の場では思い通りにいかない部分が多かった印象です。試合前に立てた作戦が思い通りに進まず、焦りからプレーが疎かになってしまう場面もありました。決勝戦まで向かう道のりは非常に険しく感じました。

そんな中でも、5試合という長丁場を戦い抜いたことに私は大きな価値を感じています。実際の試合の中では、普段の練習で見つけられない課題が浮き彫りになります。技術面や体力面だけでなくメンタル面など様々です。これらに気付くだけでも収穫ですが、今大会ではこの課題に着手するスピード感や精度が高かったと感じています。

できなかったことを次の試合で確実に実践し、また新たな課題を見つけては次の試合で解決に向けてトライする。このサイクルが上手く回り続けていました。その要因は、コーチ陣も含めたチームのコミュニケーションにあったと考えます。
試合の前後に欠かさずミーティングを行い、試合内容を正確に『評価』し、具体的な『改善策』を打ち出し、次の試合で『実行』する。コートに立っていない時間を有効に過ごすことで万全の準備ができ、連戦のなかでも成長を遂げることができたと振り返っています。

冒頭で申し上げた通り、今回は有観客で大会が開催されました。
ビーチバレーボールは試合が行われるコートと観客席の距離が近い為、会場の一体感がとても強い競技です。観客の盛り上がりがダイレクトに選手のモチベーションに伝わります。
『選手のパフォーマンス』と『観客の盛り上がり』の相関性が他競技よりも高いように感じます。その為、点を決めたあとに会場を鼓舞する選手も少なくありません。今回は歓声こそ禁止されていましたが、観客席からの拍手などにより選手たちが普段以上の力を発揮できたことは言うまでもありません。
なにより選手たちは、観客の皆さんと一緒に盛り上がったり感情を共有できたことに喜びを感じています。

有観客で開催してくださった大会関係者の方々や、試合を見に来てくださったビーチバレーボールファンの方々には感謝申し上げたいです。

久しぶりの国内大会を終え、ビーチバレーボールという競技の面白さを改めて実感できました。
特に、観客の前でプレーし、たくさんの方に元気を与えたり笑顔にできたことはアスリートにとってなによりの幸せでした。テレビなどのメディアを通して発信することもできますが、直接見てもらうことでしか伝わらないこともたくさんあります。制限なくたくさんの方に会場にお越し頂き、ビーチバレーボールの魅力を感じてもらえる日が来ることを祈るばかりです。その日に向け引き続き精進して参る所存です。

大会報告がメインとなりましたが、今回も最後までお読み頂きありがとうございました。


倉坂 正人 MASATO KURASAKA

石川県金沢市出身
石川県立工業高→早稲田大→三菱オートリース→フリー

ランキング6位(全565人中)
2022年前期 強化選手
東京オリンピック代表決定戦 準優勝
JBVシリーズ2020千葉市長杯 優勝

2022年 クオリティソフトがスポンサード

倉坂選手プロフィール
https://beach.jva.or.jp/player_men/masato_kurasaka_2022/

倉坂選手インスタグラム
https://www.instagram.com/masato_kurasaka/