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気ままにあちこち歩き回る様を逍遥すると言います。体のあちこちに不調が出てきて症状がまるで彷徨い歩くかのように訴えてくる人もいます。

春を「発陳」と言い、冬の間に隠されていたものが出て来て活発になり始める時期です。植物が芽吹き、自然界はエネルギーであふれてきます。

春を木の芽時とも呼びますが、この時期は精神的な症状が現れやすい時期とも考えられています。季節の変わり目の気圧変化や気温変化によって自律神経が乱れ、いらいらしたり、鬱々として精神的不調を感じてしまう人も多い季節なのです。

春は自律神経を整えるために、頑張りすぎず精神的にリラックスして、のんびり過ごすことが養生に繋がります。

気の巡りを良くし、自律神経の働きを調整しているのは五臓のうちで「肝」


肝に蓄えている血を増やすことで、肝の働きは良くなります。春に感じるストレスを和らげるためには、気を巡らせることの他に血を増やしていくことも大切です。

中医学では、形の似ているものがその臓器を助けると考えます。それを以類補類と言います。


例えばくるみは脳に似ていることから、脳の働きを助けると考えます。薬膳ではいちごやトマト、にんじん、レバーなどの赤い食材は赤い「血」を増やすと考えます。
今回は、にんじんとエシャロットを使った玄米ごはんを紹介したいと思います。

セリ科ニンジン属のにんじんの原産地はアフガニスタン。



にんじんが属するセリ科植物はセロリやセリ、フェンネルやディルなどがあり、独特の芳香を有し気の巡りを良くします。
漢方薬でもセリ科植物の柴胡(サイコ)は「加味逍遥散(かみしょうようさん)」などの漢方薬に使われ、気の巡りを良くし、春の肝の高ぶりによる精神症状を和らげる働きがあります。そして、我慢気質の日本人はセリ科植物との相性がいいのかも知れません。

にんじんは血を補い、肝の機能を補う働きがあります。



肝は目の経絡と関係が深く、ドライアイや夜盲症、視力低下にも良い食材です。また、栄養学的にもβカロテンを豊富に含み、粘膜を強くしてくれるので、ウィルス感染予防の観点からも積極的に摂りたい食材です

食材の薬膳的効能


にんじんとエシャロットとカルダモンを使う玄米ごはん

材料(4名分)

玄米(浸漬しておく) … 2合
にんじん       … 1本
エシャロット     … 3本
カルダモン      … 2粒

作り方
手順① にんじんをすりおろす。
手順② エシャロットをみじん切りにする。
手順③ 一晩浸漬しておいた玄米2合とにんじん、エシャロット、カルダモンを炊飯器に入れて炊く。
手順④ 炊き上がって蒸らして出来上がり。

今回はエシャロットの辛味・温める性質が血や気を巡らせてくれるため一緒に使っていきます。
またカルダモンの種子の塊は縮砂と呼ばれるもので、漢方薬にも使わて胃腸を温め食欲不振や吐き気などにも使うことができますので、これも一緒に使います。


田村 英子 EIKO TAMURA

2010年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学薬膳課卒業)
・「カラダを変える12か月の薬膳」主宰
大学卒業後3年間は調剤薬局に勤務した後、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込み。
漢方相談薬局の老舗「東西薬局」に就職、中医師・菅沼栄、林建豫先生などに師事し中医学を学ぶ。
その後、帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
現在、漢方養生堂、富士堂に所属。
カウンセリングで多くの患者と向き合う中、漢方を飲む以前の食習慣を含めた生活習慣の問題をどう立て直し、定着させるかがずっと課題で、本人に納得してもらい、自立して健康管理をしていくために「カラダが変わる12か月のズボラ薬膳」を主催する。