七月七日、二十四節気では「小暑(しょうしょ)」を迎え、陽気が最高になり、暑さが段々本格的になってきます。紀元前に中国で書かれた医学書「黄帝内経」には、「夏は太陽が沈むと寝て、日の出と共に起きる。日が長いが怠けてはいけない。適度に運動し、1日1回は汗をかくように心がける。陽気を発散しないでいると、熱がこもり病気になる。」と書かれています 。

暑いからといって、クーラーの部屋でじっとしていたり、冷たいもので体を冷やそうとすると、陽気が発散されずに体調不良を引き起こしますので、適度に汗をかくことをおすすめします 。

今回は、夏バテを予防して暑さを上手に乗り切るための玄米レシピをご紹介したいと思います 。

飲む点滴と呼ばれる栄養豊富な甘酒

昨今の発酵食品ブームに則り、気軽に飲める甘酒をスーパーなどでも見かけるようになりました。夏の季語にもなっている「甘酒」ですが、甘酒が庶民に浸透し市民権を得たのは江戸時代のこと。クーラーや冷蔵庫のない時代の人々は変化する季節に沿って、食べるものを工夫し体調管理をしていました 。

甘酒は「飲む点滴」とも呼ばれるくらい栄養豊富で、夏に不足しがちなビタミンB群、アミノ酸を豊富に含み、夏バテを予防し疲労回復を助けてくれます 。

夏に心がけたい養生

夏は適度な汗をかくことをおすすめすると先に申しましたが、汗のかきすぎは、夏バテの原因となります。これは、汗と共に体に必要な潤いや気(体力などの生命エネルギー)が奪われてしまうためです。

また、冷たいものや生ものなどの摂り過ぎは、気を生み出す胃腸の機能を低下させ夏バテに繋がります。暑くなって、だるさや疲れを感じている人は、充分な睡眠を心がけ、冷蔵庫で冷やしたものをそのまま口にせずに常温に戻してから摂るよう心がけてくださいね。

今回は夏に乱れがちな腸内環境を整え、気や潤いを補う酵素玄米甘酒のレシピをご紹介したいと思います。

●甘酒

甘酒は米と米麹が生み出す優しい甘味が特徴ですが、薬膳では五味のうち「甘味」の食材は体力を補ってくれる効果があります。漢方でも麦や米に麦芽を加えて糖化させた飴やなつめ、甘草、蜂蜜、人参は虚弱な体を丈夫にしたり、腹痛を止めたりするのに用いられます。

とは言え、ここで言う「甘味」は白砂糖の甘さではありませんのでご注意ください。白砂糖の摂り過ぎは血液中にナトリウムを引き込み、むくみの原因になります。また「湿」を生み胃腸を弱らせる原因となり、疲れやすくなりますので、摂り過ぎないよう気をつけてください。

●いちじく

いちじくは、胃腸の調子を整えて、体に潤いを与えてくれます。桃やブドウ、キウイなどお好みの果物で作って頂くと良いです。
「酸甘生津」、酸味と甘味が合わさることで、体にとって必要な津液(潤い)を生み出し、夏に失われる潤いを補ってくれます。

食材の薬膳的効能

酵素玄米の甘酒

材料(2名分)

酵素玄米ごはん … 100g
米麹      … 300g
水       … 800cc

作り方(約10名分)
手順① 米麹をほぐす。
手順② 酵素玄米ごはん、米麹、水を炊飯器に入れ保温にし、6〜8時間おく。保温に設定し、炊飯器の蓋を開けたまま濡れ布巾をかけ、8時間おきます。
手順③ 途中、濡れ布巾が乾かないよう何度か濡らしてください。そして、温度が均一になるよう途中2〜3回かき混ぜて下さい。

寝ている間に汗をかいてカラカラになった体に朝一杯の甘酒を飲む。すると体が潤うだけでなく、その日に必要なエネルギーをチャージすることができるのでおすすめです。

作った甘酒は冷蔵で一週間、冷凍すると一ヶ月はもちます。

甘酒のデザート

材料(2名分)

甘酒    … 100cc
いちじく  … 1個(皮を剥く)
ヨーグルト … 50g
ミント(飾り用)

作り方
手順① ヨーグルトをコーヒーフィルターに入れて2〜3時間おき、余分な水を切り「水切りヨーグルト」を作る。
手順② 甘酒といちじくをミキサーに入れ撹拌する。
手順③ ②を器に移し、水切りヨーグルト、ミントを乗せたら出来上がり。

本来なら8月くらいから出回るいちじくが、今年は早くも出回っていたので使ってみました。

今回は「酵素玄米専用Labo炊飯器」の甘酒モードで作りました。Labo炊飯器なら温度を最初から60度で6時間に設定できるため、蓋を開けておく必要がありません。失敗することなく簡単に甘酒を作ることができます。

Labo炊飯器について詳しくは↓↓↓
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酵素玄米を炊いてから、酵素玄米甘酒を作るのは面倒…という方には「たまなの発芽酵素玄米甘酒」がおすすめです。

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https://tamana-shop.jp/amazakekosogenmai/

田村 英子 EIKO TAMURA

2010年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学薬膳課卒業)
・「カラダを変える12か月の薬膳」主宰
大学卒業後3年間は調剤薬局に勤務した後、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込み。
漢方相談薬局の老舗「東西薬局」に就職、中医師・菅沼栄、林建豫先生などに師事し中医学を学ぶ。
その後、帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
現在、漢方養生堂、富士堂に所属。
カウンセリングで多くの患者と向き合う中、漢方を飲む以前の食習慣を含めた生活習慣の問題をどう立て直し、定着させるかがずっと課題で、本人に納得してもらい、自立して健康管理をしていくために「カラダが変わる12か月のズボラ薬膳」を主催する。