和歌山県伏菟野産 |
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紀伊半島大水害による土砂災害などで、激甚災害法による特例の支援措置の対象区域となった和歌山県田辺市伏菟野地区で、いま国産きくらげの栽培が始まっています。
家を流され、家族を亡くすなど災害を経験した人達が集まって、故郷の復興を願って新たな特産品作りに取り組んでいます。
2011年9月。
田辺市中心部から北東へ約10キロの伏菟野(ふどの)地区。山々に囲まれた集落で、記録的集中豪雨により山の斜面が岩盤ごと深いところから崩れる「深層崩壊」が起き、地域全域が壊滅的な被害を受け、5人が犠牲になりました。
いま、被災地を整理して造成された土地の一画に、きくらげの菌床栽培のハウス2棟が建っています。
被災から5年を経た2016年、このまま伏菟野を荒地にしてはいけないという危機感と、被災後に支援してくれた全国の人々のために、伏菟野の元気な姿を発信したいという感謝の思いで、希少な国産きくらげの栽培に取り組み、2017年3月から“夢のきくらげ”と名付けた伏菟野産のきくらげの出荷が始まりました。
コリコリとした独特の食感で中華料理等の炒めものや、ラーメンのトッピング等でよく使われていますが、最近はその栄養価の高さからも注目が集まっています。
国内で流通しているきくらげは、95%以上が主に中国・東南アジアを原産とする輸入品で、国内で栽培されているきくらげは多くありません。
中でも、白いきくらげは栽培も難しく、栄養価も高い希少な高級食材です。
夢のきくらげの黄金きくらげは、白いきくらげを天日干しで作った乾燥きくらげです。
白きくらげと白いきくらげ
主に中国を原産とする白きくらげは「シロキクラゲ科シロキクラゲ属」で、別名「銀茸(ぎんじ)」とも呼ばれます。
伏菟野の白いきくらげは、あらげきくらげ「キクラゲ科キクラゲ属」の白変種で、種類が違います。
美容と健康 スーパーフードと呼ばれるワケ
きくらげには、食物繊維やビタミンD、カリウム等、美容と健康のために大事な栄養成分が非常に多く含まれています。
ダイエット食材として注目されているキノコ類の中でも、きくらげの栄養成分は突出しています。
食物繊維
きくらげには食物繊維が不溶性、水溶性とも非常に多く含まれています。
不溶性の食物繊維は、お腹の中で水分を吸収して膨んで腸を動かすので便通を促して便秘の改善が期待でき、満腹感を得やすいので食べ過ぎ防止にも役立ちます。
水溶性の食物繊維は、糖質の吸収を緩やかにして、血糖値を上がりにくくす働きがあるので、肥満や糖尿病防止に繋がります。
ビタミンD
きくらげはビタミンDを非常に多く含んでいて、全ての食品の中でもトップレベルです。
ビタミンDが不足すると、丈夫な骨や歯を作るための栄養成分の吸収が悪くなったり、認知症リスクが高まると言われています。
日光を浴びることで体内でも作ることができる栄養素ですが、紫外線を避けたい女性には食品からしっかり摂りたい栄養成分です。
カリウム
身体の中の余分なナトリウム(塩分)を排出して、細胞の浸透圧や水分の調節をしてくれる栄養成分であるカリウムも多く含まれています。むくみの改善や血圧を下げて高血圧の予防効果も期待できます。
夢のきくらげ 黄金きくらげの魅力
農薬不使用
菌床から全て国産にこだわり、安心して毎日食べてもらいたいとの思いから、殺虫剤等を一切使用せず手間と愛情を注いで大切に育てています。
天日干し
機械乾燥ではなく天日でじっくりと干しています。天日に干されることで、白いきくらげがこんがり黄金色に染まります。
また、天日干しにすることで、アミノ酸が生きくらげの約10倍にも増え、旨味と栄養がアップします。
消費期限は、水で粗熱を取ったあと水分をしっかり切り、冷蔵庫の野菜室で3,4日以内にお召し上がりいただくか冷凍保存も可能です。
おすすめの調理法
八宝菜など中華料理は定番ですが、そのまま ポン酢しょうがにつけて食べるのがおすすめです。
ワサビ醤油、天つゆなどもおすすめ。その他サラダ、酢漬け、天ぷら、おでんのネタ、つくだ煮などの料理にもおすすめです。