立春(2月4日)を迎え、ようやく日射しに春を感じられるようになってきました。これから来る本格的な春に向けて期待感が高まりますが、まだ寒いと感じる人も多いでしょう。季節の変わり目のこの時期には、風が吹き、アレルギー疾患が多発します。今から春の養生を考えて備えていきたいところですね。

春になると気象予報では花粉の飛散状況が毎日報道されるようになります。風邪(ふうじゃ)の影響によって鼻水・くしゃみ、目の痒みなどに悩まされる人もいます。最早、「国民病」とも言われている花粉症、ひどくなると鼻詰まりで眠れない、頭重感、頭痛などの症状に悩まされるものです。

花粉が多いと言われる年でも「症状が軽く済んだ」、花粉が少ないと言われる年でも「花粉症を発症させてしまった」など、その年によって程度に差があります。これはどうしてでしょうか?

もちろん花粉の飛散量も関係していますが、答えは自分の体の中にあります。

体を温めて、余分な「水」をさばくことで鼻水・くしゃみは軽くなる。


中医学に「気」「血」「水」というのがあります。これは体を構成している大切な要素のことで、これが過不足なくあり、滞りなく循環している状態をバランスの取れた状態と考えます。「水」は体を潤す体液で、皮膚粘膜や関節などを潤す他に、ラジエーターとしての役割をしていて体が陽(熱っぽい状態)に傾くのを防いでくれます。この「水」が体の中に溜まっていると冷えて、余った余分な「水」が鼻水・くしゃみなどになるのです。
ですので、この時期は生野菜やお刺身などで体を冷やしたり、冷たいビールやお酒の摂り過ぎによって体に余分な「水」を溜ないよう気をつけて下さい

ここで体を温めながら「水」をさばく「生姜」をご紹介させて頂きたいと思います。

生姜は簡単に手に入るので、どのご家庭にも常備している食材ではないでしょうか。薬膳や漢方にも頻繁に登場する食材です。

この生姜を食べると「辛い」と感じると思います。薬膳の中でも特に、にらやにんにく、葱などの「辛い」と感じる食材は熱エネルギーを生み出すものが多く、その熱によって血行を良くしたり、余分な「水」を乾かしてくれると考えます。
生姜は特に肺(呼吸器系)や脾(消化・吸収系)の働きを助け、余分な「水」を乾かしてくれるので、くしゃみ・鼻水、寒さが原因で起きる咳や痰の症状を軽くしてくれます。また冷えたことにより起きる腹痛や吐気、ぞくぞく寒気のする風邪にも対応できる食材です。

生姜の薬膳的効能

12ヶ月の養生ごはん生姜の薬膳的効能

※帰経・・・どこの経絡に入り作用するかという意

生姜玄米ごはんのレシピ

材料(4人分)

玄米  … 2カップ
天然塩 … 小さじ1
生姜  … 15g
みりん … 大さじ1
紫蘇  … 適量(千切り)

※生姜は皮の近くに有用成分が多く含まれているため、なるべくオーガニックのものを買って皮ごと使うことをおすすめします。

作り方

手順① 玄米を洗い6時間以上浸水させる。浸水させた水は捨てて、しっかり水切りする。
手順② 生姜を千切りにする。
手順③ 玄米と生姜、みりんを炊飯器に移し指定の水位まで水を入れ、天然塩を入れて混ぜる。
手順④ 玄米モードで炊く。
手順⑤ お茶碗に盛りつけて千切りにした紫蘇を散らす。

炊きあがりすぐの状態ですと生姜の香りが強く発散力があるので、ぞくぞくする風邪の初期症状に適しています。3日くらい炊飯器で寝かせることで生姜特有の刺激はなくなりマイルドになります。

最後に散らす紫蘇も、薬膳では「辛味」であり温めながら肺や脾の働きを助けるので、合わせて使って頂くと良いでしょう。芳香によるリラックス効果もありますので妊婦さんで食欲がない時やつわりの時にもおすすめです

田村 英子 EIKO TAMURA

2010年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学薬膳課卒業)
・「カラダを変える12か月の薬膳」主宰

大学卒業後3年間は調剤薬局に勤務した後、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込み。
漢方相談薬局の老舗「東西薬局」に就職、中医師・菅沼栄、林建豫先生などに師事し中医学を学ぶ。

その後、帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。

現在、漢方養生堂、富士堂に所属。

カウンセリングで多くの患者と向き合う中、漢方を飲む以前の食習慣を含めた生活習慣の問題をどう立て直し、定着させるかがずっと課題で、本人に納得してもらい、自立して健康管理をしていくために「カラダが変わる12か月のズボラ薬膳」を主催する。