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新年明けましておめでとうございます。寒波が日本列島を襲い、北陸や九州の日本海側では記録的な大雪が降りました。暦の上では「小寒」、冬本番を迎え寒さが身に染みます。人間の体は陽気(熱)により、様々な代謝が行われているのですが、体の芯まで冷えるような冷たい空気は、体を冷やし陽気(熱)を消耗させてしまいます。それにより、冬は元々代謝が悪くなる上、年末年始の食べ過ぎや「巣篭もり」生活による運動不足で、老廃物を溜め込みやすく、体が重くなりがちです。

また昨年引き続き新型コロナウィルスが猛威を振るっています。不安定な時代に皆様が少しでも安心してすこやかに暮らせますよう、食養生で簡単で毎日だれでも作れるような玄米ごはんのレシピを、今年もご紹介させていただきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

冬の養生

現代では冬でも活発に動き回り、常に何かを生産していることが当たり前のような雰囲気があります。しかし、冬は「閉蔵」と言い、中国最古の医学書『黄帝内経』では、過度な発散を控えて、静かな充実した気持ちで過ごすことが養生につながるとされています。

「巣篭もり」がコロナ禍では特別な過ごし方のように取り上げられていますが、草木が地上部を枯らして根っこに栄養を蓄えるように、自然界の一部である人間も静かに暮らすことが冬本来の過ごし方なのです 。

冬に摂りたい海産物

日本は四方を海に囲まれているため、海産物が簡単に手に入ります。昆布やあさり、牡蠣、ひじき、もずく、海苔などの海の幸、黒い食材はミネラル分が豊富で、「腎」の機能を助ける大切な食材です。

腎は、成長・発育・ホルモンバランス・老化に関係する機能系統のことで、冬は腎の働きが弱くなりがちです。またこれらの海産物に共通する味覚は鹹味(かんみ)ですが、鹹味には「堅くなったしこりを柔らかくする」という働きがあります。特に昆布にはコレステロールを下げる作用があり、痰湿と言って水分代謝が悪くどろどろと老廃物が溜まった状態の人は常食することをおすすめします。

今回は、冬太りをリセットして老廃物の代謝を促す、昆布と椎茸で出汁を取った海苔の玄米炊き込みごはんのレシピをご紹介させていただきます。

食材の薬膳的効能

干し椎茸

味と香りが特徴の椎茸は、グアニル酸などの旨味成分によって、昆布や鰹節と共に、日本の代表的な出汁として重宝されてきました。
椎茸は干すことで、味や香りが増すだけでなく、栄養成分であるビタミンD、コレステロールや血圧を低下させる成分が増します。また薬膳的には補気作用があり免疫力を高めつつ、デトックスもできてしまう優れた食材です。

老廃物が溜まって体が重い人、コレステロールが高い人は、昆布と干し椎茸を水で戻した出汁で、スープやお味噌汁を作ったり炊き込みご飯を炊いたりしながら毎日摂ってみてくさいね。

海苔

海苔は浅瀬で生じ簡単に採れるために、太古の昔から摂って食べられていたことは言うまでもありません。海苔はお米とよく合い、この組み合わせは、日本の食文化の香りを奥深く漂わせています。恐らく海苔が苦手という人はそうそういないでしょう。各産地で、11月から12月にその年の一番はじめの海苔が摘まれ、「一番摘み」「初摘み」と言います。柔らかく香りが良いのが特徴で、初摘みの海苔がこの時期になると市場に出回ります。

海苔は昆布と同じく「腎」に働きかける食材。痰湿を去り、老廃物の代謝を促します。また赤血球の原料となる葉酸を多く含んでいるため、貧血気味の人や妊婦さんも積極的に摂りたい食材です。


昆布と椎茸で出汁を取った海苔の玄米炊き込みごはん

材料(4名分)

乾燥した昆布 … 10cm
干し椎茸   … 2本
海苔     … 4枚
玄米     … 2合(一晩浸漬しておくと良い)
塩      … 小さじ1/2
水      … 500cc

作り方
手順① ガラス容器など密閉できる容器に、水500ccと昆布と干し椎茸を入れて、冷蔵庫で一晩漬けて出汁を取る。
手順② 海苔四枚をちぎる。
手順③ 炊飯器にあらかじめ一晩浸漬しておいた玄米2合と、①で取った出汁を入れる。炊飯器の所定の水位に足りない場合は水を足す。
手順④ 炊飯器に海苔、塩を加え炊く。
手順⑤ 炊き上がったら海苔をよく混ぜ、少し蒸らしてからお召し上がりください。

玄米そのものにも血液中のコレステロールを低下させる作用がありますので、コレステロールが高めの方はぜひ毎日摂ってくださいね。
今回は玄米をLabo炊飯器で炊きました。Labo炊飯器なら毎日美味しい玄米が食べられるのでおすすめです。

Labo炊飯器を使用する場合の注意点
調理モードによって炊飯温度等が異なりますので、白米を使用する場合は「炊き込みご飯炊飯」で、玄米を使用する場合は「酵素玄米炊飯」で炊いていただくと、より美味しく召し上がれます。(たまな商店追記)

田村 英子 EIKO TAMURA

2010年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学薬膳課卒業)
・「カラダを変える12か月の薬膳」主宰
大学卒業後3年間は調剤薬局に勤務した後、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込み。
漢方相談薬局の老舗「東西薬局」に就職、中医師・菅沼栄、林建豫先生などに師事し中医学を学ぶ。
その後、帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
現在、漢方養生堂、富士堂に所属。
カウンセリングで多くの患者と向き合う中、漢方を飲む以前の食習慣を含めた生活習慣の問題をどう立て直し、定着させるかがずっと課題で、本人に納得してもらい、自立して健康管理をしていくために「カラダが変わる12か月のズボラ薬膳」を主催する。