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雨が降るごとに涼しくなり秋が深まるのを感じます。季節の変わり目は大気が不安定になり、雨の降る日が多くなります。また気温差が激しく、体がついていけないなどでだるさや疲れを感じやすくなったり、風邪を引きやすくなったりする人も多くいます。
秋になると空気が乾燥し始めますが、気道が乾燥することから、コロナに限らずインフルエンザや風邪などのウィルスに感染をしやすくなります。

今回は、空気が乾燥する季節に「気」を養い乾燥から身を守る舞茸とモッツアレラチーズの玄米ライスコロッケをご紹介させて頂きたいと思います。

東洋医学では、五臓のうち免疫力を統括しているのは「肺(はい)」という呼吸を司る機能系統と考えています。普段はこの肺が私達の体に悪い影響を及ぼす外邪(がいじゃ)(ウィルスなど)の侵入から身を守ってくれています。この「肺」は乾燥に弱く潤っていることで機能を果たすことができます。
しかし秋冬の空気が乾燥している状態ではうまく機能することができなくなってしまうため、風邪などのウィルスに感染しやすくなります。また「肺」が乾燥することで、喉が痛くなる、空咳が出るなどの症状が出る人もいます。

秋は、湿度を保つことや、梨や蓮根、いちじくなどの肺を潤す食材を取ることがおすすめです。

秋の味覚のきのこ類ですが、その成分のβグルカンは抗がん作用があるとして解明されています。東洋医学のフィルターを通すと、この効果を「補気(ほき)」と呼び、「気」の中でも免疫を司る「気」を養う食材としての効果を期待することができます。また「サルノコシカケ」は、古来より漢方薬でも抗がん作用があるきのことして使われてきました。また、きのこ類に豊富に含まれるビタミンDは、ウィルス感染を予防してくれる成分として研究されています。

その中でも今回使う舞茸は、江戸時代にはとても稀少性が高く「幻のきのこ」とも言われ、銀と交換されていたと言われています。そのため見つけた人が舞い上がる程喜んだことから「舞茸」という名がついたそうです。

チーズは牛や山羊、羊などの乳を乳酸菌やカビなどの微生物で発酵・熟成させたものをで、いつ始まったのかを確定することはできないのですが、高温の条件下でも乳を保存するための方法として、酪農を営む地域で作られてきました。モッツァレラチーズは水牛の乳からできているチーズで、癖がないけれども独特の歯ごたえがあり、全世界で親しまれています。
薬膳では、牛乳・ヨーグルト・チーズなどの乳由来の食品は、体の渇きを潤してくれる効果を期待することができます。特にチーズは薬膳では「肺」を潤し、口の渇きを潤してくれて、空咳への効果を期待することができます。

材料(4人分)

玄米ごはん … 2合 / 舞茸 … 100g / モッツァレラチーズ … 40g(5gにカットしたものを8個用意する) / 小麦粉 … 適宜(揚げる用) / 溶き卵 … 1個分 / パン粉 … 適宜(揚げる用) / サラダセロリー … 飾り用 / 米油 … 適宜(揚げる用)

作り方
手順① 玄米を炊き、炊き上がったら8等分にする。
手順② 舞茸をみじん切りにする。フライパンにオリーブオイルを敷き、熱したフライパンに舞茸のみじん切りを入れ炒め、しんなりしたら火を止める。
手順③ 炊き上がった玄米ごはんに②を入れて混ぜる。
手順③ モッツアレラチーズを中心に入れ③の玄米ごはんで包み込み、丸い団子状になるように成形する。
手順⑤ ④に小麦粉をまぶし、溶き卵にくぐらせ、パン粉をまぶす。
手順⑥ 米油を180度に熱し、⑤を揚げる。中身には全て火が通っているため、こんがりと揚がったら取り出す。
手順③ 器に盛り、サラダセロリーを散らして完成。

玄米でモッツアレラチーズを包み込み成形する際に、ボロボロ崩れてくることあります。もし、崩れやすかったらラップでくるんでしっかり圧をかけるようにしてください。

●参照論文・参照文献

サルノコシカケ参照論文「かいじと肝臓癌」
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jcam/13/2/13_35/_pdf 
「ビタミンDに関連論文 トップ12」参照 オーソモルキュラー学会
https://isom-japan.org/news/detail?uid=7DOnR1548833169

現代の食卓に生かす「食物性味表」 (著者:日本中医食養学会)


田村 英子 EIKO TAMURA

1979年生まれ
2003年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学 薬膳課卒業)
・一児の母


大学卒業後3年間調剤薬局に勤めるが、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込む。
都内漢方相談薬局「東西薬局」にて中医師に支持し漢方相談業務・中医学講師を勤める。
帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
都内漢方相談薬局 富士堂漢方薬局にて許志泉先生に支持し漢方相談業務を勤める。
2022年に「カラダを変える12か月のズボラ薬膳」として独立。
https://zuborayakuzen.jp/

漢方相談・薬膳体質カウンセリング・セミナー・執筆業を行う。女性のホルモンバランスの変化による心やカラダのゆらぎを支え、健康で不安のない将来を迎えられるよう、漢方薬や日々の生活に取り入れたいや薬膳を提案している。