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暦の上では「小寒」、寒の入りし冬本番の寒さが訪れます。正月を「大正月」というのに対して、1月15日は「小正月」といわれています。
赤い色は太陽、血、火などの生命を象徴する色で小豆などの赤い食材が邪気を払うとし、日本ではお食い初めや進学などの慶事でお赤飯を炊いて、小正月には、無病息災を願い小豆粥を食べる習慣があります。

正月が過ぎ、成人の日が終わって、1月15日になると華やかな行事がひと段落する頃かと思います。
小豆粥は年末からの暴飲暴食で重くなったからだをリセットし胃腸を整えてくれるので薬膳的な観点からもおすすめです。今回は冬に体が重く感じる人に小豆玄米粥を紹介させていただきます。

小豆はマメ科に属する植物、アジアのあらゆる所に生息していますが、原産地は不明です。日本では、縄文時代の遺跡から小豆が発見され、「古事記」や「日本書紀」では五穀とされているように古くから馴染みの深い食材でした。

漢方薬では「赤小豆(せきしょうず)」と呼ばれ、体の中の水を巡らせる効果があり、「赤小豆鯉魚湯(せきしょうずりぎょとう)」という肝硬変などによる腹水の処方に用いられています。
冬は冷えることにより、代謝が悪くなりむくみやすくなります。むくみが気になる人は小豆をスープに入れたり、ご飯と一緒に炊いたりして上手に利用することをおすすめします。

西洋栄養学的には食物繊維が豊富で、小豆にはゴボウの3倍の食物繊維が含まれているとされていてます。腸内の老廃物を掃除し、便秘の解消に役立ちます。
また小豆の主成分は糖質とタンパク質で、その他にもビタミンBを含んでいるため疲労回復にも役立ちます。

昨年に引き続きコロナが蔓延しています。
皆様の健康をサポートできますよう、体と心を整える薬膳の智恵を使った玄米レシピを紹介させていただきたいと思います。
本年もどうぞよろしくお願いいたします。

材料

小豆 1/2カップ / 玄米 50g / 水 500cc / 出汁 300cc / 黒ごま 適量

作り方
手順① 玄米を水に浸し一晩おく。ここで使った水は捨てる。
手順② 小豆を鍋に入れ豆の三倍量の水を加えて、強火にし沸騰したらざるにあげゆでこぼす。
手順③ 茹でた小豆と玄米を鍋に入れ水を加えて強火にかける。沸騰したら弱火に切り替え、蓋をして30分煮る。
手順④ 30分経ったら、火を止めてそのままの状態で10分蒸らす。
手順⑤ 器によそって出来上がり。

小豆は他の豆類と違って水に浸漬させません。水に浸漬させることで皮が破けやすくなってしまいます。

アンチエイジングの効果を期待したい人はくるみを加え、胃腸を労わりたい人はかぼちゃを加えて炊くことをおすすめします。


田村 英子 EIKO TAMURA

2010年 東京薬科大学薬学部卒業
・薬剤師
・国際中医薬膳師(北京中医薬大学薬膳課卒業)
・「カラダを変える12か月の薬膳」主宰
大学卒業後3年間は調剤薬局に勤務した後、東洋医学の世界に可能性を感じ飛び込み。
漢方相談薬局の老舗「東西薬局」に就職、中医師・菅沼栄、林建豫先生などに師事し中医学を学ぶ。
その後、帯津三敬塾クリニックで漢方・森田療法・ホメオパシー・気功を用いた癌や精神疾患の患者のケアに関わりより広い統合医療を知る。統合医療学会の企画運営や薬剤管理責任者として従事する。
現在、漢方養生堂、富士堂に所属。
カウンセリングで多くの患者と向き合う中、漢方を飲む以前の食習慣を含めた生活習慣の問題をどう立て直し、定着させるかがずっと課題で、本人に納得してもらい、自立して健康管理をしていくために「カラダが変わる12か月のズボラ薬膳」を主催する。