新年明けましておめでとうございます。
毎年のように思いますが、あっという間に一年が過ぎますね。それなりに密度の濃い日々を過ごしているつもりですが、歳を取るにつれて一年が経つのが早くなっている気がします。
一説によるとこれは年齢における一年の割合がどんどん短くなっているからだそうです。どういうことかというと、『3歳における1年は1/3』だが『30歳における1年は1/30』になると考えられるように、歳が増すごとに人間が体感する一年が相対的に短くなっていくそうです。
最近この法則を知りましたが凄く納得させられました。

そして、この法則には恐ろしい続きがありました。これに基づいて計算すると、

『100歳の人における人生の折り返し地点は20歳』
『80歳の人における人生の折り返し地点は10歳』

になるそうです。
私も既に人生の折り返し地点を過ぎていると考えるとゾッとしました。

もちろん、あくまでも体感速度を数値化するというだけの見方なので、実際の人生を測れるものではありませんが、改めて悔いなく日々を過ごしていきたいと思いました。

12月はシーズン中とは違い自由に使える時間が多いので、普段出来なかった活動を精力的に行いました。
一つは学生向けのビーチバレーボール教室です。
12月は地元の金沢で高校生・中学生向けに教室を行いました。その日の教室は大成功だったと思います。
ビーチバレーボール教室といっても、参加者は全員バレーボール部ですがほとんどがビーチバレーボール未経験者という生徒達でした。どうしたらビーチバレーボールに興味を持って楽しんでもらえるか非常に悩みました。しかし結果的には想像以上に盛り上がり、顧問の先生方からも普段の練習以上に生徒達が意欲的で楽しんでいたとの言葉をもらいました。

今回の教室で意識したことは、『考えるよりも行動させる』ことと『難しい』というワードを使わないことです。
前半にインドアとビーチの違いについて多少説明はしましたが、ほとんど実践形式の練習を行いました。頭で理解するよりもプレーしながら身体で違いを感じ取って欲しかったからです。
練習中の生徒達の様子を見ていると、最初はビーチ特有のルールに手こずっていましたが、次第に自分達でコツを見つけ始め、口数が少なかった生徒も点数を取るための戦術をパートナーと模索し始めたりと、私が多くを伝えなくても自分達で発想を広げてくれていました。

たらればにはなりますが、最初の説明の時に『ビーチバレーはインドアと違いが多くて難しい』と認識させていると、こうはならなかったように思います。
『難しい』=『ミスしてしまう』と考えてしまい、挑戦する気持ちが薄れてしまうからです。それよりも楽しんでもらいたい気持ちが強かったのでポジティブな言葉だけを発する意識をしました。

何かを『難しい』と考えるのはあくまでも個人の捉え方に依存するものであり、今回のように知識の浅い学生に新しいことをトライさせるには、圧倒的な『楽しさ』を伝えてあげることが重要なのだと思います。
今回の教室では私の想い通りに生徒達にビーチバレーボールを楽しんでもらい、興味を持ってもらえたので大成功だったと感じています。
変に様々な知識をつけてしまった33歳の私も、何か新しいことに挑戦するときは『考える前に行動する』ことを意識したいと思いました。

プライベートではたくさんの『芸術に触れる』ことができた1ヶ月になりました。
画家の友人に絵を描いてもらったり、写真家の友人の個展を見学したり、日本舞踊の友人の花魁道中に参加させてもらったりしました。
バラエティに富んだ友人達にはとても感謝です。

花魁道中はとても感動しました。
花魁を支える男衆の1人を演じさせて頂きました。衣装をまとい化粧をし、花魁が歩く時に肩を貸す『肩貸し』という役割で浅草の街にて大勢の前を歩きました。

それだけでも普段絶対に出来ない経験なので感動しましたが、演じる上で当時の日本の状況やそれぞれの役の当時の心情などを学ばせて頂き教養を深めることができました。

画家や写真家の友人からは尖った感性を感じさせられました。一枚の作品に込められている作者の想いはとても深く、彼らが生きてきた中で養われてきた感性によって作られてきたもので、私とは違った着眼点で物事を見ているのだと考えさせられました。
「どうしてこれを作ったの?」など私の素人臭い質問にも目を輝かせて答えてくれる彼らにはとても感動しました。

おそらく『芸術に触れる』ことは、言い換えると作者の『感性に触れる』ことなのだと感じました。自分にない尺度で世の中を見ている彼らの感性を少しでも自分のものにすることで、人生を更に豊かにできそうな予感がしました。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。
今年一年もご支援よろしくお願いします。

大晦日に倉坂プロから今回のコラム原稿をいただいた翌日に、能登半島地震が発生しました。コラムにも紹介されているように、倉坂プロの地元は金沢ですので大変心配致しましたが、幸いにもご実家は大きな被害には遭わなかったとのことです。
今回の能登半島地震で被災されました方には、謹んでお悔やみ申し上げます。


倉坂 正人 MASATO KURASAKA

石川県金沢市出身
石川県立工業高→早稲田大→三菱オートリース→フリー

ジャパンツアー(BVT1)ランキング 1位(2023.05.2時点)
ジャパンツアー個人ランキング8位(2023.04.24時点)
2022年前期 強化選手
2022年 ジャパンツアー平塚大会 優勝
2022年 ジャパンツアー名古屋大会 優勝
2022年 ジャパンツアーファイナルグランフロント大阪大会 優勝
2022年 クオリティソフトがスポンサード

倉坂選手プロフィール
https://beach.jva.or.jp/player_men/masato_kurasaka_2022/

倉坂選手インスタグラム
https://www.instagram.com/masato_kurasaka/