皆さんこんにちは。慌ただしく戦い続けた日本のビーチバレーボールシーズンもつい最近まで行われたかと思えば、いつの間にか12月に入りました。
2022年は皆さんにとってどんな一年だったでしょうか。
私は今年も様々な土地で試合を行い、たくさんの新しい経験ができました。

国内ツアーの結果を振り返ると、

第1戦:2位
第2戦:5位
第3戦:優勝
第4戦:優勝
第5戦:不参加
第6戦:5位
ファイナル:優勝

となりました。

なかなか思うような結果が出ずに苦しんだシーズン序盤から、キャリア初優勝を含む3勝を遂げるなど山あり谷ありでした。
そんな1年でたくさんの学びがありました。
今後の自分の教訓とする意味でもまずはその学びについて触れたいと思います。

新しい何かを習得するには(我々の場合プレーの技術など)、様々な投資が必要です。
分かりやすいところだと時間やお金が挙げられますが、私は『情熱』を投資できるかどうかが1番のポイントだと感じました。
時間やお金を投資して環境を整えたところで、自分自身の成長意欲が薄いと全くの無意味になります。
新しい取り組みをする上でそこに『情熱』を注げるかが1番重要だと感じました。

『情熱』を辞書で調べると、「ある物事に向かって気持ちが燃え立つこと」とありました。
何かに取り組む上で必ずそれを掴み取るんだという気持ちが燃え立っているか、足りなければ燃え立たせようとしているかが重要だと感じます。

なぜ投資という表現を使ったかというと、情熱を注ぐ程リターン(成長)が見込めるからという理由もありますが、反対に、人間の情熱にもキャパシティがあり、一点に集中するとその分他のバランスが崩れると考えたからです。
実際に私もシーズン序盤の結果が出ずに苦しんだ時などは特に、頭の中は常にビーチバレーボールでした。


「どうやったら新しい技術を習得できるか。」「なにが自分に足りなくてなにをするべきなのか」「海外のトップ選手はどのようにプレーしているか」
など、プライベートの時間でもふとした時に頭の中ではビーチバレーボールについて考えが巡る日々でした。
振り返るとその時は、友人に会う時間や趣味に費やす時間は極端に減っていたように思います。

「なにかを得るにはなにかを犠牲にしなければならない」という言葉がありますが、自然にこの状態になっていました。
その結果、少しずつ思い描いたプレーが身についてきたように感じます。
自分のなかにある『情熱』というエネルギーをビーチバレーボール一点に投資することで、プライベートのアンバランスと引き換えに競技の成長という形でリターンが返ってきたんだと思います。

ではなぜそこまで情熱を注ぐことができたのか。
シンプルにビーチバレーボールが大好きだからだと思います。勝った試合はもちろん、負けた試合の中でもビーチバレーボールの面白さを感じています。
壁にぶつかった時こそ自分のポテンシャルを感じ、ワクワクしながら攻略する方法を考えています。


ツアーファイナルのグランフロント大阪大会の優勝後インタビューでも話しましたが、誰よりも愚直にビーチバレーボールに向き合い続けてきた自負があります。そんな想いが私の土台となっていることで、自分が思う以上に情熱を注ぐことができたと感じます。

11月はまた海外での試合に出場しました。
世界ランキングトップクラスの選手も参加するアジア選手権という非常にハイレベルな大会です。
結果は3戦全敗のプール戦敗退でした。


そこで感じたことは、圧倒的な自分の非力さでした。これまでも何度か世界レベルに挑戦をしてきましたが、今まで以上に強く感じさせられました。
それ自体は間違ってないと思いますが、今回感じたのはその体格差で勝る強豪国、特に上位のチーム程自分の体格や身体能力に甘えず、基礎技術が高く、プレーが非常に正確でした。
一つ一つが丁寧で、観ていて美しさすら感じさせられました。

特に優勝したカタールは、その緻密さに対する強いこだわりを持っているように感じました。日々の練習から妥協せずに取り組んでいるのだと思います。

たくさんのチームに力の差を見せつけられましたがこのままでは終われないです。
それらのチームに勝つ為に、今ある差をどうやって埋められるか。そこにどれほどの情熱を注ぐことができるか。今、私のビーチバレーボール人生の勝負所だと感じます。これまで以上の努力と情熱をビーチバレーボールに投資し、この先の自分の成長に賭けたいと思います。

これからの活躍にぜひ期待してください。
今回も最後までお読み頂きありがとうございました。


倉坂 正人 MASATO KURASAKA

石川県金沢市出身
石川県立工業高→早稲田大→三菱オートリース→フリー

ランキング8位(2022.06.22時点)
2022年前期 強化選手
東京オリンピック代表決定戦 準優勝
JBVシリーズ2020千葉市長杯 優勝

2022年 クオリティソフトがスポンサード

倉坂選手プロフィール
https://beach.jva.or.jp/player_men/masato_kurasaka_2022/

倉坂選手インスタグラム
https://www.instagram.com/masato_kurasaka/