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WBC盛り上がりましたね!日本が世界一!とても誇らしいです。子どもも学校で決勝戦を見たようで興奮して帰ってきました。
仲間の大切さ、チームワークの大切さを感じ取ってくれたら嬉しいなと思いました。
さて今回は、世界遺産「富田坂」(とんださか)の起点にある「草堂寺」というお寺に行ってきました。
このお寺に多く残されている、江戸時代の中期に活躍した絵師長沢芦雪(ながさわろせつ)が描いた襖絵(ふすまえ)を見せていただいたのでご紹介したいと思います。
草堂寺は白浜の富田町にあります。
白浜町中にある、私たちの会社から、車で約5分。白良浜などがある白浜町内からも車で約15分という近場にあります。
江戸時代初期慶安元年(1648年)に再興された臨済東福寺虎関派(こかんは)の禅寺です。
こちらの第五世の和尚さんが江戸時代に京都に在住していた頃、親交があった絵師「円山応挙」(まるやまおうきょ)が「もしあなたが新寺を建立する時があれば、私は寺のために筆をふるうことを惜しみません」と約束をしました。
その後、和尚は富田へ住み、苦心し草堂寺を再建しましたが、「円山応挙」は何らかの都合により来られず、自分の弟子の中で最も優れていた「長沢芦雪」を代理にし自らの絵を持たせ草堂寺に行かせたそうです。
その持たせた絵というのが、こちらの「雪梅花」です。
襖と床の間にある壁までを使い立体感があるように見え、梅の枝に雪が積もっている当時の情景が思い浮かびます。
これ以外に蘆雪が描いた絵が約12面の襖絵があります。
こちらの牛図は、すこし痩せた牛を描いていることから実際にこちらに来た時に、牛を見て描いたのではないかと言われています。
この虎図の虎は想像で描かれているようで「少し猫っぽさがあるでしょ?」と和尚さんがお話しして下さいました。虎は魔除けの意味もあり描かれています。
こちらの絵は、和尚さんと蘆雪が酔っぱらって橋の上を歩いている風景を描かれたものと言われています。どの絵も迫力があり、江戸時代の絵師って本当にすごいなととても引き込まれました。
蘆雪は数か月、このお寺で寝泊りをして近所の方にご飯を食べさせて頂いたり、お酒を飲んだりして過ごしていたそうです。
ごちそうになったお礼に絵を描いて帰っていたそうで、この地区には多数の絵画が残されているようです。
草堂寺の境内にある、「観音堂」(かんのんどう)を案内して頂きました。
この観音堂は1本の欅(けやき)で造られていて一木道(いちもくどう)とも呼ばれています。
観音像は平安時代の仏像で長州、日頼寺(にちらいじ)山口県下関市から東福寺を経て、草堂寺に安置された聖観世音菩薩です。
この観音像に合わせて周りの装飾も造ったそうです。
天井を見上げると色鮮やかな草花が描かれています。
こちらの建物は文化13年(1816年)に建てられていて、その時から色などを重ねていないそうです。この現代まで色鮮やかに残っているのに感動しました。
観音堂から外にでると、世界遺産 熊野古道「富田坂」が見えます。「富田坂」にも登ってきたので、また紹介したいと思います。
ご縁があって、こちらのお寺にお邪魔させて頂きましたが、草堂寺さんは観光目的のお寺ではないので、いつでも襖絵が見れるということではないそうです。
和尚さんは「都合が空いていれば、案内しますよ」とおっしゃってくださいましが、襖絵は夏場、外しており冬場のみはめているそうなのです。
もし行かれる場合は、事前にお寺へ電話でのご確認をお願いします。
襖絵は貴重なため、紹介した絵はお寺にあるもので精巧に再現されたレプリカです。重要文化財として保管されており、本物は和歌山博物館に展示されています。
実物を博物館で見るのもいいかもしれませんね。
色々な貴重なお話を聞かせていただいて本当に楽しかったです。
本当に貴重なお時間ありがとうございました。
■お問い合わせ先
南昌山 草堂寺
住所:〒649-2325 和歌山県西牟婁郡白浜町冨田1220-1
電話:0739-45-0004
地図:https://goo.gl/maps/ZBD33nLKj1i63PVj9(Googleマップ)
レポート:あやこ
たまな商店のスタッフとして日々お客様とのやりとりを楽しみながら、紀伊民報地域ママさんレポーターとしても活躍中!