倉坂正人コラム『我以外皆師』Vol.5「ご質問にお答えします Q＆A」

皆さんこんにちは。梅雨を迎え湿度が高く、まとわりつく暑さが苦しいですね。急に天候が変化することも多く、思い通りの行動が取りづらい時期だと思います。

この時期になると暑い夏が近づいている実感が湧き、緊張感が高まる思いにさせられます。今年の夏も猛暑が予想されており、一部では都心部で40度を超えるとの意見もあるようです。早めの暑さ対策を進め、健康に過ごしましょう。

以前のコラムでビーチバレーボールは体力との戦いになると書きましたが、暑さへの対策をどうしているのかという質問もよく受けます。
今回のコラムではこれまでに頂いたご質問にお答えしたいと思います。

Q1＞暑さ対策はどうしていますか？

A1＞一番は体温の変化が急激に起きないように気をつけています。

急激に体温を上下してしまうと筋肉や内臓への負担が大きく、怪我のリスクが高くなります。ですので、試合前はできるだけ時間をかけて身体を温めるようにしています。
試合後も同様で、上昇した体温を急激に冷やさないよう、疲れていても軽いジョギングやウォーキングをしながら体温が下がるのを確認しながら身体を休める意識をしています。

食事についても同様で、特に気温が高い国に行った時は冷たい飲み物や食べ物が欲しくなりますが、内臓を冷やさないようにあえて温かい食べ物や常温の水を飲むようにしています。

Q2＞海外での食事はどうしていますか？

A2＞積極的に現地の食べ物を食べるようにしています。

暑さ対策だけでなく、競技へのコンディション調整の為にも食事は非常に重要です。
以前のコラムにもあったように試合後は体重が減っているので、ある程度の量を食べなくてはなりません。様々な国で試合をしてきましたが、幸いにも私は食べられない食べ物がないので、どこの国に行っても食事に困ることはありませんでした。
遠征が長くなって日本食が恋しくなった時は、持参した醤油などの調味料で味を変化させて楽しんでいます。

Q3＞海外での試合の時の、飛行機やホテルの手配はどうしていますか？

A3＞全て選手が自分で手配しています。

海外の大会に出場する場合は、選手自身が大会を調べてエントリーを行います。会場となる場所を確認し、最寄りの空港やホテルを探し、インターネットで調べて予約を行います。

現地の空港まで行くことは比較的簡単ですが、ビーチバレーボールは海で行われることが多く、会場が空港から離れていることがあります。その場合は、現地の乗り物を駆使することになります。タクシーや電車を使うケースが多いですが、その他にもローカルバスやフェリー、トゥクトゥクなど、これまで様々な乗り物で移動してきました。
時には定員オーバーの車に5時間以上乗せられたり、荒れた山道を法定速度以上のスピードで走る車に揺らされるなんてこともありました。

そんな経験ができるのも海外ならではだと感じ、楽しみながら移動をしています。

Q4＞試合前のルーティンなどはありますか？

A4＞ありません。

むしろ作らないようにしていると言った方が正しいです。
よくアスリートが『試合前はこれを食べる』や『コートには右足から入る』などのルーティンをしていると聞きます。

私も以前はルーティンを作ろうと考えましたが、海外の試合が多くなってきた時に、毎回決まった食べ物が食べられなかったり、試合時間が流動的だった時に毎回同じ準備が出来ないことに気付かされました。
その結果、同じ準備をしようとするのではなく、その時の自分のコンディションを正確に把握し、それに合わせて必要な用意をする意識にシフトしました。

強いて言うなら、前述の暑さ対策として行なっている『ウォーミングアップに時間をかける』ことです。

Q5＞試合中はパートナーとどのような会話をしていますか？

A5＞試合の中で起きている変化など『気付き』を共有する意識をしています。

対戦相手の今日の調子や、その日のクセなど、気付いたことを話し合い、戦術に活かしています。
また、同様にパートナーのその日の状態についても気付いたことは伝える意識をしています。いつも通りのプレーが出来ているかどうか、出来ていない場合は原因となっていそうなことについて伝えるようにしています。
プレー間が短い競技なので、気付いたことをスピード感持って伝えられるように、言葉選びや話し方にも気を配るようにしています。