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日本古来の健康食「玄米」。近年マクロビオティックブームにより再注目されています。
玄米には、「発芽玄米」と呼ばれる玄米もありますが、この二つの違いはいったい何なのか・・・?
ということで、本日は管理栄養士が両者の違いについて、徹底解説させていただきます!
玄米は、籾米(もみごめ)から籾殻(もみがら)だけを取り除いたお米です。
玄米からさらに糠(ぬか)と胚芽(はいが)を取り除き、胚乳(はいにゅう)のみにしたお米が白米になります。
玄米、三分つき米、五分つき米、七分つき米、胚芽米、白米の順に精白度合いが大きくなりますが、精白がすすむにつれてビタミンやミネラル、食物繊維などの体に良い成分が失われてしまいます。
お米を玄米のまま食べることで、栄養バランスの優れた健康的な食事ができます。
玄米の糠層には、食物繊維が豊富に含まれていて、白米と比べると約8倍もの食物繊維を含んでいます。
食物繊維は、腸内環境を改善し腸からの脂肪の吸収を抑制する働きがあるので、身体の内側から整えることができます。さらに、便秘を解消すると同時に、体内の余分なコレステロールや糖分、発ガン物質などの有害物質を排出してくれます。そのため、癌や生活習慣病の予防、またダイエットにも効果的といえます。ただし、玄米は白米よりも消化に時間がかかるため、しっかり噛んで食べることが大切です。
玄米の胚芽や糠(ぬか)には、食物繊維の他に、ビタミンB群(B1、B2,B6,ニコチン酸、パテントン酸、イノシトール、葉酸等)が含まれています。
ビタミンB群は、エネルギーをつくり出す代謝を助ける働きがあるため、人間の身体には必要不可欠な栄養素です。
どんなに炭水化物を摂取しても、このビタミン類が不足するとエネルギー化が進まず、その結果、疲れやすくなったり病気になったりします。
玄米をわずかに発芽させたのが発芽玄米です。発芽の際に眠っていた酵素が活性化し、出芽のために必要な栄養を玄米の内部に増やしていきます。そのため、玄米よりも栄養価が高いのです。
発芽玄米には、健康に欠かせない栄養成分が、たっぷりと含まれています。
腸内環境を整える食物繊維、サビから体を守るビタミンE、体調を整えるマグネシウム・カルシウムなどのミネラルはもちろん、白米からは摂るのが難しい、「オリザノール」「GABA(ギャバ)」も豊富に含まれています。
さらに、発芽の過程で増加することが発見されたPSG(発芽米ステロール配糖体)は、「体脂肪を減らす期待の機能成分」といわれています。
中性脂肪や基礎代謝に関わり、体脂肪のつきにくい体づくりを応援します。
また、血管の老化を予防し、LDLコレステロールにもアプローチするので、生活習慣が気になる人にも朗報ですね!
低GI食品である発芽玄米は、中性脂肪の吸収を抑え、食事からのカロリーの吸収をカットする働きがあります。そのため、お腹についた脂肪がエネルギー源として燃焼されやすくなり、ウエストサイズの低下に効果的だと言われています。
※低GI食品とは…?
GI値は、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、その食品が体内で糖に変わり血糖値が上昇するスピードを計ったものです。
ブドウ糖を摂取した時の血糖値上昇率を100として、相対的に表されています。このGI値が低ければ低いほど血糖値の上昇が遅くなり、インシュリンの分泌も抑えられるのです。
発芽玄米は食物繊維を多く含み、GI値が低いため、食後の血糖値を抑え、結果的に糖代謝に良い影響を与えると言われています。
血糖値を急激に上げる食事は、「細胞膜に炎症を起こし、老化を加速させる」と言われているため、血糖値の上昇を抑えることでアンチエイジングに繋がると言えます。
発芽玄米に含まれる食物繊維の量は、白米の約6倍にも及びます。
玄米に含まれる食物繊維は、「不溶性食物繊維」といって、水に溶けない代わりに吸水性が高く、水を吸収して膨らむ性質を持っており、消化されることはありません。
ですので、腸内で大きく膨らみ、満腹中枢を刺激する為食べ過ぎを防ぐ効果があります。
また、大きく膨らんで腸管や腸壁を刺激し、ぜん動運動を活発にするという役割も担います。
加齢とともに減少するコラーゲン。コラーゲンが減少すると肌の弾力は失われ、たるみに繋がっていきます。発芽玄米は、ビタミンやミネラルなど大切な栄養素を豊富に含んでいるため、コラーゲン生成を助ける役割があります
発芽玄米には、ストレス軽減作用があると言われている「ギャバ」が白米の10倍も含まれています!
こちらが、発芽玄米を炊いた写真です。
こちらは一般的な炊飯器を使用して炊きました。
【材料】
・発芽玄米 2合分 (1合は、計量カップ1杯:約180cc)
・水 2合分
【作り方】
・発芽玄米を水で軽くすすぐ。白米は、糠を取るために何度も洗いますが、発芽玄米は軽くすすぐだけで大丈夫です。
・炊飯器の内側についている「白米」のメモリより少し多めに水を入れます。大さじ3杯くらい。
・通常の白米モードで炊きます。
市販の発芽玄米は、玄米よりも割高であることが多く、保存の為に塩分を添加していることがあります。
それもそのはず、発芽させてしまうとドンドン成長を続けてしまうため、程よいところで発芽を止めるために工夫をしなければならず、そこに手間と時間がかかってしまうからです。
実は、発芽玄米は自分でも作ることができます。
【材料】
・玄米 炊きたい合数分
・水 米を水につけたとき、米の部分が完全に浸る量
【作り方】
・ボウルや深い容器に玄米を入れます。
・たっぷりの水を入れて、ラップもしくは蓋をしておきます。
・室温で、夏は半日~1日、冬なら2日~3日ほどで発芽します。
温度調整を失敗すると発芽の際に臭いを発生させてしまいます。また古米を使うと発芽率が極端に悪い場合がありますのでご注意ください。(2018.08.19追記)
発芽玄米の一粒一粒には、私たちの健康美を支える栄養素が詰まっていることが分かりました!
私たち日本人の食卓に欠かせないお米。
古来より愛されている玄米を発芽させ、私たちの体が喜ぶ栄養素を引き出してあげましょう!自分で発芽させたお米を大切に食べることで、心も体も豊かな気持ちになることでしょう。
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食べるを知るためのウェブマガジン、「イーノ –eat know-」を運営。
(編集:河瀬璃菜/フードクリエイティブファクトリー http://foodcreativefactory.com/)
参考Webページ
・発芽玄米の作り方 – 河内さんのお米
http://www.kochi-net.com/kome/hatuga.html
・ファンケルオンライン
http://www.fancl.co.jp/genmai/kodawari/nutrition.html
・一般社団法人 高機能玄米協会
http://www.mfbr.org/index.html